メディアプランニングとは?予算・媒体・KPIを決める7ステップと記入例
2026年3月17日
著者: 与謝秀作
メディアプランニングとは、広告や情報発信の目的に合わせて、対象者、媒体、予算、実施時期、評価方法を設計することです。完成物は媒体名の一覧ではなく、「誰に何を届け、何を確認して、次にどう判断するか」がわかる計画です。
以下の7ステップで、施策を実行できる形に落とし込みます。数値例は計画の作り方を示す仮想例であり、業界平均や成果保証ではありません。
1.事業目標を1つの文にする
「認知を高める」「売上を増やす」を、その期間に達成したい具体的な状態へ変えます。たとえば「次の四半期に、対象業種からの有効な相談を30件獲得する」です。
何を有効な相談とするか、既存顧客や営業目的の問い合わせを含めるかも決めます。広告のコンバージョン数と、営業が評価する相談数が違う場合は、両方を計画に残します。
2.対象顧客と意思決定の条件を整理する
年齢や職種だけでは媒体を選びきれません。何に困っているか、いつ調べるか、誰と比較・相談するか、どんな情報があれば進めるかを整理します。
顧客インタビュー、問い合わせ内容、検索語句、営業記録などを材料にします。推測は推測と記録し、事実と混ぜないようにします。カスタマージャーニーマップの作り方
3.必要な接点と媒体を選ぶ
「人気の媒体だから」ではなく、対象者と情報の相性から選びます。比較中の人には料金や条件、まだ課題を知らない人には困りごとに気づく説明が必要です。
選定基準 | 確認する内容 |
|---|---|
到達 | 対象顧客に届く可能性があるか |
表現 | 動画・文章・対面など、必要な説明ができるか |
行動 | 閲覧後に予約・相談・購入へ進めるか |
運用 | 素材制作と改善を継続できるか |
検証 | 目的に対応するデータを確認できるか |
複数媒体の役割分担はメディアミックスで詳しく解説しています。
4.目標から予算を逆算する
クリック課金の獲得施策なら、まず「必要な成果数÷想定CVR」で必要クリック数を求めます。次にクリック単価を掛けます。
想定広告費=目標CV数÷想定CVR×想定CPC
目標10件、CVR2%、CPC200円なら、必要クリック数は500回、想定広告費は10万円です。ただしCVRが1%なら同じ10件に20万円が必要になります。
シナリオ | 想定CVR | 必要クリック数 | CPC200円での広告費 |
|---|---|---|---|
慎重 | 1% | 1,000回 | 20万円 |
基準 | 2% | 500回 | 10万円 |
改善した場合 | 3% | 約334回 | 約6.7万円 |
広告費以外の制作費・運用費を加え、許容できる獲得単価と照合します。過去実績がない場合は、この試算を事実として扱わず、検証予算と中止・修正条件を設定します。
5.媒体別のプランに落とし込む
以下は1か月分の記入例です。認知施策の費用を獲得施策の試算へ無理に当てはめず、役割ごとに確認事項を置いています。
施策 | 役割・訴求 | 配信予算 | 主な確認指標 | 次の判断 |
|---|---|---|---|---|
検索広告 | 課題の解決方法と相談案内 | 10万円 | 有効相談、CPA、検索語句 | 想定との差を原因別に点検 |
動画広告 | 課題に気づく説明 | 5万円 | 到達、視聴、関連ページ閲覧 | 内容が伝わったか確認 |
検証枠 | 別の訴求案 | 3万円 | 事前に定めた評価指標 | 継続・変更・終了を決定 |
この表に、担当者、素材の締め切り、入稿日、遷移先URL、計測方法を追加すれば実行表になります。広告配信だけ先に始まり、LPや計測が間に合わない状態を避けましょう。
6.配信前に素材・遷移先・計測を確認する
- 広告の約束と遷移先ページの内容が一致しているか。
- スマートフォンで情報を読み、申し込みまで進めるか。
- 料金・提供条件・問い合わせ先が明確か。
- 正常送信と入力エラーで、成果の記録が区別されるか。
- 費用や成果を、担当者が同じ定義で確認できるか。
実装の確認手順はWeb広告の効果測定マニュアルにまとめています。
7.見直す日と判断基準を先に決める
開始直後は計測不具合や予算消化の異常を点検します。成果評価は、購入・商談までの時間や必要なデータ量を考慮します。毎日の小さな変動だけで設定を変えると、施策の評価が難しくなります。
状況 | 先に確認すること | 変更候補 |
|---|---|---|
表示がほとんど出ない | 配信条件、対象規模、審査 | 条件や素材の修正 |
クリックされるが成果がない | 計測、検索意図、LP | 遷移先や訴求の改善 |
相談は多いが成約しない | 対象顧客、営業対応、価格条件 | 獲得条件と説明の調整 |
良好だが増額すると悪化 | 配信先の拡大、飽和 | 増額幅や対象の見直し |
計画と実績の差を記録し、次回のCPC・CVRなどの想定値へ反映します。計画を一度で当てることより、外れた理由を学べる状態を作ることが、継続的な予算判断につながります。


