セミナー企画の進め方|準備表・当日台本・フォロー設計
2026年5月8日
著者: 与謝秀作
BtoBセミナーは、参加者が課題を理解し、必要な判断や次の行動へ進めるように設計します。テーマや登壇者を先に決めるより、「誰が、参加後に何を理解できるとよいか」を決めることが出発点です。申込数だけでなく、参加の質、相談、営業負担まで評価します。
オンラインのウェビナーと会場開催では、運営や参加条件が異なります。以下は小規模な業務改善セミナーの架空例で、業界平均や成果保証ではありません。
目的と必要数を逆算する
仮に将来の売上目標300万円、受注単価100万円、商談からの受注率25%、参加者からの商談化率20%、申込者の参加率60%を置きます。十分な追跡期間を設ける計画で、当日中に売上になる想定ではありません。
段階 | 計算 | 仮の必要数 |
|---|---|---|
受注 | 300万円÷100万円 | 3件 |
商談 | 3÷25% | 12件 |
参加 | 12÷20% | 60人 |
申込 | 60÷60% | 100人 |
実績がなければ率は仮説とし、参加率や商談化率を低くした場合も試算します。開催目的が既存顧客の活用支援なら、売上逆算を無理に使わず、対象業務をできるようになったか等を評価します。
4週間の準備表
期間 | 作業 | 担当・完了条件 |
|---|---|---|
4週間前 | 対象、目的、テーマ、予算、形式を決める | 責任者が企画1枚を承認 |
3週間前 | 申込ページ、案内、集計、問い合わせを用意 | 配信・運営担当が申込を通して確認 |
2週間前 | 内容・資料・事例の根拠を確認 | 登壇者と確認担当が資料を確定 |
1週間前 | リハーサル、役割、障害時対応を確認 | 本番環境で進行を通す |
前日・当日 | 対象者案内、接続、録画・会場を点検 | 担当表と連絡手段を再確認 |
翌日以降 | 資料案内、希望者対応、振り返り | 条件に沿うフォローと記録 |
リハーサルはスライドを読むだけでなく、画面共有、動画、音声、入退場、質問、終了後の案内まで試します。会場開催では動線、設備、受付、緊急時の責任者を追加します。
60分の進行台本
時間 | 内容 | 運営の確認 |
|---|---|---|
0〜5分 | 目的、対象、質問方法、録画等の案内 | 司会が参加条件を説明 |
5〜15分 | よくある課題と本日の範囲 | 登壇者が期待をそろえる |
15〜35分 | 手順と具体例・実演 | 進行担当が時間を確認 |
35〜50分 | 質問・ケースへの適用 | 回答できない点は持ち帰る |
50〜60分 | 要点、資料、任意の相談方法 | 司会が終了と次の行動を案内 |
説明できない質問へその場で推測の回答をしないようにします。質問者名や画面に映る個人情報の扱い、録画・再配布の条件も事前に決めます。
障害時の対応を決める
事象 | 対応例 | 事前準備 |
|---|---|---|
登壇者が接続できない | 司会が状況を案内、代替説明へ | 予備担当と資料 |
音声・映像が乱れる | 実演を止め、資料ベースへ | 別の接続・説明手段 |
開催を続けられない | 再開催・資料配布等の方針を通知 | 判断者、連絡文面、連絡経路 |
質問へ答えきれない | 対応可能な範囲と後日の経路を案内 | 質問記録と担当 |
「必ず録画を送る」と案内するなら、録画の許諾と成功を確認できる運用が必要です。準備できない対応を安心材料として約束しないでください。
参加後のフォローを分ける
資料案内、相談希望への対応、継続的な広告メールは同じ処理ではありません。申込時に示した利用目的・配信条件を確認し、希望者を適切な担当へ渡します。不参加者への案内や再配信も、その条件に沿って行います。
相談内容、担当、期限、対応結果を残し、参加しただけの人を一律に商談へ登録しません。営業へ渡すときは、参加テーマと本人の質問・希望を添えます。
振り返りと費用評価
参加率は実参加者÷申込者、商談化率は定義した商談÷同じ参加集団で計算し、追跡日数をそろえます。架空の総費用25万円で有効相談10件なら、相談1件当たり2.5万円です。広告費だけでなく制作・運営・会場等の対象費用を明記します。
参加者の理解、対象との一致、未解決質問、営業負荷を振り返り、次回はテーマ・募集・運営のどこを変えるか決めます。受注が未確定なら進行中と残し、見込売上を実績として報告しないでください。


