リスティング広告の費用と予算の決め方|CPC・CVRで試算する

2026年3月30日

著者: 与謝秀作
リスティング広告の費用はいくら?予算の決め方と費用対効果を最大化するコツ

リスティング広告の予算は、一律の相場で決めるより「必要な成果数×許容CPA」と「想定CPC÷CVR」を照合して決めます。広告費とは別に、運用、広告制作、LP制作、計測整備の費用も見積もってください。

この記事の金額は日本円による架空の試算です。日本市場の平均値や成果保証ではありません。海外調査のクリック単価を円に換算しても、日本の相場にはなりません。

費用を3つに分ける

費用

含めるもの

見積もりで確かめる点

媒体に払う広告費

配信による費用

対象媒体、期間、上限

運用費

設計、入稿、調整、レポート

固定額・料率・最低料金、対応範囲

制作・整備費

広告文、素材、LP、計測設定

初期費用、改修費、所有・引き継ぎ条件

検索広告ではクリック課金が基本となる場面が多い一方、単価はキーワード、地域、競争、広告やページの関連性などで変わります。契約やキャンペーンの条件も確認し、「この金額なら必ず何件取れる」とは考えないようにします。

CPCとCVRから成果を試算する

クリック数=広告費÷CPC、成果数=クリック数×CVR、広告CPA=CPC÷CVRです。CVRは2%なら0.02として計算します。ここでは広告クリックに対する問い合わせ成功率を使い、GA4のセッション基準の率と混ぜません。

月間広告費

仮定CPC

仮定CVR

試算クリック数

試算問い合わせ数

広告CPA

10万円

200円

2%

500

10

1万円

30万円

200円

2%

1,500

30

1万円

50万円

200円

2%

2,500

50

1万円

100万円

200円

2%

5,000

100

1万円

この表は単価と率が一定の算数例です。現実には配信を広げると検索意図や競争が変わり、予算に比例して成果が増えるとは限りません。小さい成果数では月ごとの変動も大きくなります。

許容CPAから予算を逆算する

問い合わせ30件を、許容CPA6,000円で獲得したいなら、広告費の上限案は18万円です。しかしCPC200円・CVR2%のままではCPA1万円となり、条件が合いません。予算だけ増やして解決する問題ではありません。

同じ許容CPAを満たすには、CVR2%ならCPCを120円以下にするか、CPC200円ならCVRを約3.34%以上にする必要があります。どちらも達成可能かは実測で確認します。問い合わせの許容CPAは、受注1件当たりの獲得費上限に問い合わせからの受注率を掛けて検討します。

3つの条件でリスクを見る

広告費30万円とした架空例です。予測の上限・下限を保証するものではありません。

想定

CPC

CVR

クリック数

成果数の期待値

広告CPA

厳しい条件

300円

1%

1,000

10

3万円

基本条件

200円

2%

1,500

30

1万円

良い条件

150円

3%

2,000

60

5,000円

媒体費30万円に運用費5万円、制作費10万円を使った月なら、初月の支出は45万円です。成果30件なら全費用を含む1件当たり支出は1万5,000円です。媒体画面の広告CPA1万円と区別し、初期制作費をどの期間で評価するかも決めます。

配信前に決める運用ルール

  1. 購入・問い合わせなど成果の定義と重複除外を確認する。
  2. 仮定値の出所を、過去実績・予測ツール・仮説のいずれかで記録する。
  3. 月額上限、見直し日、損失を抑える条件を担当者と合意する。
  4. 検索語句、広告文、LP、成果の質を一緒に確認する。
  5. 受注まで時間がかかる場合は、獲得月別の集団を後から評価する。

CPAが悪化したら、クリック単価とCVRのどちらが変わったかを分けます。無関係な検索語句なら配信条件、クリック後の不一致なら広告とLP、問い合わせの質なら訴求と営業引き渡し条件を見直します。CTRだけを上げる施策が、必ずしも収益改善になるとは限りません。

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