SDR・BDRの違いとマーケ連携|役割・KPI・引き継ぎの設計

2026年5月8日

著者: 与謝秀作
インサイドセールスとマーケの連携設計|SDR・BDRの役割

インサイドセールスとマーケティングの連携は、獲得した連絡先を渡すだけでは成立しません。対象顧客、相談の意味、担当、次の行動、差し戻し条件をそろえ、顧客が同じ説明を繰り返さずに検討を進められる状態を作ります。

SDRとBDRは会社によって使い方が異なりますが、SDRを主に流入・反響への対応、BDRを主に対象企業を選んだ開拓に使う例があります。企業規模や担当者の経験年数だけで機械的に分ける役職ではありません。

SDR・BDR・営業担当の役割を定義する

役割の例

起点

主な仕事

成果の見方

マーケティング

顧客課題と集客

対象・訴求・情報提供・獲得

有効な接点とその後の進行

SDR

問い合わせ、資料等の反響

目的確認、適合判断、次の面談

対応品質と受け入れられた案件

BDR

選定した企業・部門

仮説調査、接点形成、課題確認

対象適合と検討機会

商談担当

合意された具体的な相談

評価・提案・条件調整

商談進行、受注、採算

小規模組織では一人が複数を担当して構いません。その場合も、今どの役割で誰の課題に対応しているかを分けます。BtoBの一般的なリード定義は、MQLとSQLで整理しています。

問い合わせと資料DLを同じ温度で扱わない

本人から評価の相談が来た場合と、入門資料を読んだ場合では、期待する次の接点が異なります。資料取得を「商談希望」とみなすと、相手の意図と営業の目標がずれます。取得時の案内、連絡希望、現在の課題を確認してから、面談が役立つかを判断します。

BDRでも、対象企業の規模だけで一律の提案を送るのではなく、仮説の根拠と確認したい問いを用意します。公開情報で推測した課題は、本人に確認するまで事実として扱いません。

引き渡しと差し戻しを決める

項目

合意しておくこと

対象

誰のどの業務課題を扱うか

最低情報

本人の相談内容、取得元、連絡条件、未確認事項

受入

誰が何営業日以内に判断するか

対応

担当不在・重複・既存顧客をどう扱うか

差し戻し

対象外、時期、情報不足等の理由と再確認条件

停止

拒否、配信停止、対象外の処理

架空の運用例では、明示的な相談は翌営業日までに担当を確定し、面談を設定する前に目的と参加者を確認します。期限は自社の受付時間と体制で決め、守れない場合は代理対応や受付時の案内を整えます。自動返信と担当者による一次確認も区別します。

連携シートの記入例

案件ID:A-101。きっかけ:報告集計の資料請求後に本人から相談。課題:月末集計を担当者一人が行っている。希望:現行手順で何を変えられるか知りたい。未確認:入力者、利用端末、予算。次の行動:SDRが目的を確認し、必要なら導入担当を交えた面談。期限:翌営業日。これは説明用の架空例です。

メールの開封回数や匿名ログだけでは、同じシートを埋められません。取得できない項目は不明と書き、面談前にすべてを無理に質問して顧客の負担を増やさないようにします。

数より質を含めてレビューする

指標

分母・条件

確認したいこと

初回対応時間

対象受付から担当の初回対応まで

休日・自動返信を区別

営業受入率

受入件数÷引き渡し件数

適合条件の一致

面談実施率

実施÷合意した面談

欠席・延期理由

案件化率

案件化÷実施面談

課題確認と対象の質

対応工数

記録した作業時間

無理なく継続できるか

別の月の引き渡しと受注を割らず、同じ集団を同じ期間追跡します。面談数だけを目標にすると、不要な面談を増やす可能性があります。営業が受け入れた理由、見送った理由も集計しましょう。

週次30分の例なら、未対応5分、差し戻し理由10分、顧客から得た学び10分、次週の修正と担当5分です。会議で「連携を強化する」と決めるだけでなく、フォーム、資料、対応文面、定義のどれを直すかまで残します。

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