カスタマージャーニーに使うデータとは?収集・可視化・検証の進め方

2026年3月24日

著者: 与謝秀作
カスタマージャーニーとは?データで可視化する作り方と実践テンプレート

カスタマージャーニーマップに使うデータは、アクセス数だけではありません。検索語句、サイト内行動、問い合わせ、商談、購入、インタビューを組み合わせることで、顧客がどこで何を必要としているかを検証できます。

ただし、異なるツールの集計値を並べても、1人の顧客の行動がすべてつながるわけではありません。本記事では、観測できる事実と推測を分け、改善に使えるマップへ更新する手順を説明します。初めてマップを作る方は基本の作り方とテンプレートをご覧ください。

どの段階に、どんなデータを使うか

段階

データの候補

確認できること

直接はわからないこと

認知・関心

SNS・広告の表示や反応

接触の規模と反応

その人が何を理解したか

情報収集

Search Consoleのクエリ

検索で表示・流入した需要

全検索者の個人別の履歴

比較

GA4のページ・イベント

比較情報の閲覧と行動

閲覧した人の本心

申込・商談

フォーム・CRM

受付、商談、成約の進行

計測外のすべての接点

利用・継続

利用記録・サポート

利用状況、つまずき

表明されていない不満

全段階

インタビュー・自由回答

行動の理由や認識

対象全体での発生率

定量データは「どこで何が起きたか」、定性データは「なぜそうしたか」の仮説を作る材料になります。両者を組み合わせても、常に原因が確定するわけではない点に注意します。

手順1.マップで検証したい問いを決める

「顧客理解を深める」だけでなく、「料金ページを見た後に問い合わせをしない理由を知りたい」のように絞ります。問いが決まると、必要なデータと追加の確認方法を選べます。

たとえば料金ページの閲覧数だけでは、疑問が解消されたのか、料金が高いと感じたのか、別の人に共有したのかはわかりません。離脱の数字と問い合わせ内容、顧客への聞き取りを照合します。

手順2.データ定義表を作る

期間や単位が違う数字をつなぐと、存在しない離脱や改善を作り出してしまいます。まず次のような表で定義をそろえます。

項目

記録する内容の例

データの出所

GA4、CRM、問い合わせ分類表など

集計単位

ユーザー、セッション、注文、商談

対象期間

発生日とタイムゾーン、確定の締め日

対象範囲

新規・既存、商品、地域、端末

接続できるキー

適切に管理された顧客IDや注文IDなど

欠損と制約

同意状態、未連携、取得対象外の期間

管理者

定義と更新を確認する担当者

データの連携は利用目的や権限に沿って行い、集計で答えられる問いに対して不要な個人情報を集めないようにします。

手順3.個人の経路と集計の傾向を分ける

同じ月にSNSの表示が10万回、サイト訪問が5,000、申込が50あったとしても、「SNSを見た10万人のうち5,000人が訪問した」とは言えません。表示は人数ではなく、訪問には別の流入元も含まれます。

Search Consoleの検索クリック数とGA4のユーザー数も同じ単位ではありません。検索結果の表示やクリックは、Search Consoleの定義に従って扱います。Search Consoleの指標説明

マップには「媒体別の集計」「計測できたサイト内経路」「CRMで確認できた商談」「インタビューで語られた経路」を分けて記載します。つながらない部分は不明と残す方が、架空の一本線を作るより判断に役立ちます。

手順4.事実・仮説・確認方法を並べる

以下は説明用の仮想例です。実際の分析結果ではありません。

段階

観測した事実

仮説

追加で確認すること

改善の候補

情報収集

比較に関する検索流入がある

選定基準を知りたい

クエリと読まれたページを照合

比較条件の説明

比較

追加料金の質問が繰り返される

総額が伝わっていない

料金表を見た人に聞く

総額例と条件を掲載

試用

接続手順の途中で停止が多い

権限設定でつまずく

エラーとサポート記録を確認

権限別の手順を用意

継続

定例会議の前に利用が集中

報告用途が中心

利用目的を聞く

会議向けの説明を整える

「料金ページを見た=購入意欲が高い」など、指標から心理を直接決めつけないことが重要です。別の説明があり得るかを考え、判断に影響する仮説から検証します。

手順5.可視化は問いに合わせて選ぶ

確認したいこと

適した表現

注意点

段階ごとの行動と疑問

ジャーニーの表

事実と仮説を区別する

定義した手順での進行

ファネル

同じ母集団・期間で比較する

流入経路や遷移の傾向

経路図

計測外の行動は表せない

導入月による継続の違い

コホート表

観測できる経過期間をそろえる

図を増やすより、会議で決めたいことに必要な表示を選びます。ダッシュボード上で媒体データを集約しても、個人の横断経路や因果効果が自動でわかるわけではありません。

手順6.改善し、マップを更新する

料金の説明を追加したなら、関連する問い合わせ、申込、相談の質を確認します。訪問者の構成や価格改定など、同時に変化した条件も記録します。

更新時には「どの仮説が支持されたか」「何がまだ不明か」「次に何を確かめるか」を残します。ABテストやインタビューを組み合わせ、マップを意思決定の記録として使いましょう。

広告・SNS・アクセスデータの転記に時間がかかる場合は、NeX-Rayのような集約環境も検討できます。ツール選びでは、必要な指標と粒度に対応するかを確認し、顧客の声や商談記録と合わせて解釈する運用を作ることが大切です。

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