コンテンツマーケティング事例10選|施策・成果の根拠・応用ポイント
2026年3月30日
著者: 与謝秀作
コンテンツマーケティングの事例は、PVやフォロワー数だけを比べるより、「誰のどんな疑問に答え、次に何をしてもらうか」で読むと自社に応用しやすくなります。この記事では、10社について2026年9月28日時点の公式ページ・公開資料を確認し、施策と成果の根拠を分けて整理しました。
本文の「応用」は公開コンテンツをもとにした編集部の考察です。各社の内部データや運用体制を検証したものではありません。確認した資料で裏付けられないPV成長率・受注倍率は掲載せず、施策が見えることと成果が証明されることを区別します。
10事例の比較
企業・ブランド | 主な対象 | 確認できるコンテンツ | 自社で試す切り口 |
|---|---|---|---|
キーエンス | B2B・技術担当 | FA用語辞典 | 専門用語から関連課題へ案内 |
LegalOn Technologies | B2B・法務実務家 | Legal AI Insight | 特定職種の判断に必要な知識 |
jinjer | B2B・人事労務担当 | コラム・実務資料 | 解説と実務用資料を接続 |
コクー | B2B・マーケティング担当 | デジマ女子のコラム・事例 | 業務課題と支援範囲をつなぐ |
Salesforce | B2B・営業や経営担当 | 課題別の公式ブログ | 検討段階に合わせた記事群 |
Sales Marker | B2B・営業組織 | PIVOT出演・公式事例発表 | 外部メディアで考え方を伝える |
Goodpatch | B2B・事業やデザイン担当 | 実践知・プロジェクト事例 | 判断過程を公開して専門性を示す |
ジャグー | B2B・EC事業者 | ECコラム・資料・支援事例 | 課題解決と相談を接続 |
北欧、暮らしの道具店 | B2C・生活者 | 読みもの・動画・商品紹介 | 利用場面と世界観を伝える |
片付けトントン | B2C・片付けを検討する生活者など | 作業を題材にした公式動画 | サービスの過程を見えるようにする |
B2Bの8事例
1. キーエンス:専門用語を入口にする
FA用語辞典では、用語の索引や検索を設け、技術情報を探せる構造を確認できます。応用するなら、営業でよく聞かれる用語を選び、定義・選定の注意点・具体例を一つのページにまとめます。辞書を作れば自動的にリードが増えると考えず、関連資料への遷移や有効問い合わせを測ります。
2. LegalOn Technologies:法務実務家の課題に絞る
Legal AI Insightの紹介では、法務実務の考え方、実践知、AI活用を届ける媒体として位置付けられています。専門職の判断場面に絞る設計が参考になります。自社で行う場合は、その分野の確認者と更新担当を決め、制度や製品変更で古くなった情報を管理します。成果を評価するときは、専門職の読者が必要な情報へ進めたか、相談や資料の利用につながったかを確認します。
3. jinjer:コラムと実務資料を組み合わせる
jinjerの公式資料一覧は、業務の基礎知識、法改正、業務改善などのテーマから探せます。単なる製品紹介とは別に、担当者が実務に持ち帰れる資料を用意する設計です。応用では、解説記事に対応するチェックリストを一つ作り、ダウンロード後に対象顧客との商談へつながったかを追います。
4. コクー:支援内容を業務課題から説明する
デジマ女子の公式サイトには、マーケティング業務別の支援、コラム、担当者や顧客の事例が並びます。応用するなら、よく相談される一つの業務を選び、読者が自分で進められる範囲と専門支援が必要な範囲を示します。記事の閲覧だけでなく、支援内容の確認や具体的な相談につながるかを評価します。
5. Salesforce:課題別に情報へ到達できる構造
日本語の公式ブログは、営業・マーケティングなどのテーマから情報を探せます。自社では、認知段階の用語解説、比較検討の選定ガイド、導入判断の事例をつなげる設計に応用できます。大手企業と同じ記事数を目標にせず、購入前に残る一つの疑問から優先順位を付けます。
6. Sales Marker:外部メディアで概念を伝える
2023年5月の公式発表でPIVOT出演を確認できます。また2024年10月の同社発表では、PIVOT活用による100件超の商談獲得に言及しています。これは同社公表の成果であり、独立した検証や普遍的な再現率ではありません。問い合わせ数と商談数は異なる指標なので、比較時には成果の定義をそろえます。応用時は専用導線と商談の定義、計測期間を先に決めます。
7. Goodpatch:専門家の判断過程を公開する
実践デザインナレッジのまとめでは、デザインプロセスに沿って知識を整理し、相談や資料への導線を置いています。応用するなら、完成物だけでなく、選択肢・判断理由・制約を説明します。顧客の許可と公開可能な範囲を確認し、自社の強みが伝わる具体性を残すことが前提です。
8. ジャグー:ECの具体的な課題から相談へ
公式サイトでは、EC専門家コラム、実務資料、顧客支援事例を確認できます。B2BのEC運営支援として分類します。自社への応用は、商材や販売先ごとの問題を解説し、適切な相談先を示すことです。サイト上の顧客支援成果と、ジャグー自身のメディア経由受注増加は別の数値です。メディアの効果を調べる際は、記事経由の相談と、その後の受注を分けて追います。
B2Cの2事例
9. 北欧、暮らしの道具店:商品を生活の文脈で伝える
公式サイトでは商品紹介と読みもの・動画などのコンテンツを展開しています。生活者が利用場面を想像できる見せ方が参考になります。応用するなら、商品の特徴を列挙するだけでなく、使う場面や選び方を説明します。フォロワー数を購買効果の証明とは扱わず、商品ページ遷移、購入、再訪を目的に応じて確認します。
10. 片付けトントン:サービスの過程を動画で見せる
公式YouTubeチャンネルでは、片付けを題材にした動画を公開しています。作業の進め方を見せることで、依頼前に分からないサービス内容を伝える手法として参考になります。現場の映像を使う場合は撮影・公開許可と個人情報への配慮が必要です。視聴者の全員が商圏内の見込み客とは限らないため、再生数と有効相談を分けます。
自社で試すための企画シート
項目 | 記入すること |
|---|---|
対象者と判断場面 | 誰が、何を決める直前に読むか |
一次情報 | 自社で示せる事例、手順、比較、検証結果 |
次の行動 | 関連解説、資料、商品確認、相談のいずれか |
検証指標 | 到達→有用性→次の行動→事業成果を分ける |
必要条件 | 制作・確認担当、許可、更新工数、予算 |
評価期間 | 購入や受注までの期間を含めて事前に決める |
最初は一つの顧客課題と一つの導線を選び、公開前に計測を用意します。検索流入が出るまでの時間、既存ブランドの知名度、制作体制は企業によって違います。事例をそのまま成果予測にせず、自社の条件で小さく検証する材料として使ってください。
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