3C分析のやり方|根拠の集め方と記入例・テンプレート

2026年5月1日

著者: 与謝秀作
3C分析のやり方|事例とテンプレートで完全攻略

3C分析は、Customer(顧客・市場)、Competitor(競合)、Company(自社)の三つから、事業の選択に必要な情報を整理する方法です。顧客の課題、代替案、自社が提供できることを同じ対象市場について調べ、狙う顧客や提供価値の仮説へつなげます。

表を埋めることが目的ではありません。「どの顧客へ何を提案するか」のように、分析後に決めたい問いを先に置きます。本記事では架空の業務ソフト「青葉ツール」を使い、記入の順序を説明します。実在企業の実績や市場調査ではありません。

分析の範囲と資料を決める

対象を「日本の小規模製造業における作業報告の集計」と仮定します。「すべての業務ソフト」のように範囲を広げすぎると、顧客も競合も異なる話が混ざります。対象地域、用途、検討期間、顧客側の担当者も記録します。

C

調べること

主な資料候補

Customer

誰が何に困り、どう判断するか

顧客の聞き取り、問い合わせ、利用記録

Competitor

顧客が比較する別の解決方法

公開仕様・料金、失注理由、顧客の説明

Company

約束した価値を提供できるか

機能、支援記録、費用、担当・能力

競合には同種製品だけでなく、表計算、外注、何も変えない選択も含めて考えます。競合サイトの宣伝文句は、その企業の実績や顧客の評価を検証したものとは区別します。

顧客の事実から始める

「現場はデジタル化したいはず」ではなく、直近で発生した作業と困りごとを聞きます。誰が入力し、誰が集計し、誰が変更を承認するのかを分けると、導入条件が見えます。

  • 最近、報告をまとめた際にどこで時間がかかりましたか。
  • 今の方法を選んだ理由は何ですか。
  • 間違いや遅れがあると、誰にどんな影響がありますか。
  • 別の方法を試したことはありますか。続かなかった理由は何ですか。
  • 変更の判断には、誰がどんな証拠を必要としますか。

少人数への聞き取りは課題の発見に役立ちますが、市場全体で同じ割合の人が困っている証明にはなりません。発言数をそのまま市場シェアや需要予測に変換しないようにします。

事実・仮説・未確認を分ける記入例

区分

架空の観測例

仮説

次に確かめること

顧客

聞き取り先が月末に手作業で集計

入力形式の統一に価値がある

現場ごとの違いと例外

競合

比較対象は表計算と二つのソフト

操作より移行負担が障害

見送った理由を本人に確認

自社

設定支援を担当できる社員がいる

支援付き導入で負担を減らせる

支援工数と対応可能件数

実際の分析では、資料名・URL、確認日、対象数、引用箇所を付けます。「自社はサポートが強い」なら、応答記録や利用者の評価など、強みと呼ぶ根拠が必要です。根拠がないものは検証したい仮説に移します。

三つをつなげて選択する

例の仮説は、「報告集計に困り、移行の負担で導入を見送っている小規模製造業に、入力項目を絞ったソフトと初回設定支援を提案する」です。単に価格を下げる案と比べ、必要な活動や費用が違います。

戦略上のポジショニングの観点も参考に、誰にどんな価値を提供し、そのために何をするかをそろえます。すべての顧客へ個別開発を約束するなら、少人数の支援体制という前提と矛盾しないか確認します。

3CからSTP・4Pへ進める

手法

担当する問い

次に渡すもの

3C

顧客・代替案・自社はどんな状況か

根拠と事業仮説

STP

誰を優先し、どう選ばれるか

対象と提供価値

4P

製品・価格・販売経路・伝え方をどう組むか

具体的な施策

3Cの会議で未確認事項が多ければ、次の枠組みへ急がず調査を一つ実行します。記入シートは、判断したい問い__/対象__/顧客の証拠__/競合・代替の証拠__/自社の証拠__/仮説__/反証となる条件__/確認担当・期限__です。

市場や製品が変わったとき、想定外の失注が続くとき、提供費用が見込みを超えたときに更新します。いつも最初から大きな調査をやり直すのではなく、意思決定を左右する未確認の前提から確かめましょう。

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出典・確認先

公開資料の確認日:2026年10月1日。本文の記入例・試算は、明記したものを除き編集部が作成した説明用の例です。

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